令和2年度村政執行方針

令和2年度の予算等を審議する第1回村議会定例会が3月12日から3月13日までの日程で開催され、その席上菊池村長は新年度に向けた村政執行方針を述べ、主要な施策を明らかにしました。

はじめに

執行方針を述べている村長
 令和二年村議会第一回定例会の開催にあたり、村政執行に対する私の所信と予算編成の概要について申し上げますので、村議会並びに村民皆様方のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 私は、昨年一月に村民の皆様のご支持・ご支援を賜りまして、再度、村政の重責を担わせて頂くこと、早くも一年が経過致しました。
 この間、村政執行にあたりましては、議員各位や村民の皆様に支えられまして、行財政運営を無事に努めさせて頂き、心から厚く御礼申し上げます。
 さて、我が国全体が人口減少・少子高齢化社会への道を歩んでおりますが、町村が先頭役となり「地域」と「ひと」に関わることが、かけがえのない財産を未来につなぐこととなり、自治体の自主性・自立性を発揮して、安全で安心な地域社会づくりや、地方創生を力強く進めていく必要があると認識しております。
 昨今の地方自治体は、急速に進む少子高齢化や人口流出に伴う過疎化・地方のグローバル化など、様々な厳しい課題を抱えながら、行政サービスには日々刻々と変化する情勢への対応が求められており、当村におきましても、雇用の確保や人材育成が喫緊の課題であり、村政を取り巻く環境は一層厳しさを増しているところであります。
 新しい時代の幕開けである令和2年度は、地方創生第二期の始まりでもあり、国も第二期地方創生総合戦略を策定して、そのスローガンを「人口から人材へ」と考え、魅力ある仕事づくりや結婚、出産、子育てのしやすい環境づくりを一層進めるととももに、新たな「関係人口」の創出・拡大に全面的に取り組む事で、地方創生を更なるステージへ押し上げようとしております。
 本村におきましても、第1期総合戦略の基本的な方向性を維持しながら、これまでの流れを絶やさなぬよう、人口減少の抑制と地域経済の活性化を目指すため、第2期の「西興部村総合戦略」を策定し、持続可能な地域社会の実現に向けて、その施策に取り組んで参るところであります。
 国の示す町村が自主性・自立性を発揮し、創意工夫を凝らしながら安心・安全な地域社会を創るためには、何よりも財政基盤の強化が不可欠であり、その生命線とも言うべき地方交付税の確保が課題であります。
 こうした諸情勢において、村民の安全で安心した暮らしと地域の活性化に向け、初心忘れることなくこれまで以上に気を引き締め、村政執行にあたる所存でありますので、村民の皆様方のご理解とご協力を賜りますよう、引き続き宜しくお願い申し上げます。

村の基本方向

知事来村
 本村の基幹産業である酪農は、昨年4月に1件の農家の離農があったものの、生乳の年間生産量が16,908tで、対前年比0.5%減と、ほぼ前年並みの生産ができたところであります。
 しかしながら、平成30年の気候条件が非常に悪く、収量・栄養価ともに平年を大幅に下回り、今後の生乳生産への影響が心配されることから、国やJAと共同し、村としても代替え粗飼料の購入助成を実施しているところであります。
 こうした現状の中、酪農の振興については、引き続き、草地更新など基盤整備の促進や植生改善、ふん尿対策の取組強化などが重要であり、良質な粗飼料生産によるコスト低減と生産量の増大を図り、経営基盤の強化を基本的方向とし、国の推進している畜産クラスター事業や土地改良事業、家畜ふん尿バイオマス利用に積極的に取り組み、酪農に対する各種対策を引き続き進めるほか、低迷している林業対策として、村有林の計画的な植栽や除・間伐事業を展開していくこととしております。  
 一方、住民生活においては、引き続き高齢者福祉をはじめ、障がい者自立への支援、住環境の整備を行い、住みやすい環境づくりを図ります。
 しかし、それでも本村の人口は、微減を続けていることから、更なる定住人口の確保と高齢者福祉の充実を進めるとともに、延長保育や学童保育そして1歳児保育を継続し、子育て支援センターを充実させると共に、就労対策などを積極的に取り組んで参ります。
 本村の平成31年度予算編成にあたっては、これらの状況を十分認識し、予算編成を行ったところであります。                 

美しく快適で安全なむら

交通事故死ゼロ9千日達成記念住民大会
村づくりのテーマ実現のため、「美しい村づくり条例」に基づく建物の色彩統一制度は、平成二九年度に制度を拡充し、上限額の増額や二回目塗装も対象とする他、空家対策として住宅リフォーム補助や建物解体撤去補助制度も加え施策の拡充を行ってきたところでありますが、今年度は空き家などの解体撤去補助について国の支援制度を追加するなど、自己負担の軽減を図り、さらなる景観形成を進めてまいります。
 また、町内会や各関係団体、さらに北海道開発局、網走建設管理部とも連携・協働して、「我が村は美しく事業」や「全村一斉清掃」のほか、西興部・上興部両市街地のプランター設置など引き続き実施するとともに、花いっぱいの景観づくりを推進し、村に暮らす人や訪れる人が共に心の癒される「美しい村づくり」に努めて参ります。 
 住宅環境整備として、興栄団地公営住宅一棟四戸、興栄団地特定公共賃貸住宅一棟四戸の屋上防水改修工事を実施して参ります。
 更に、持家建設促進のための奨励補助金や、街灯維持費補助金についても、引き続き必要な予算を計上したところであります。
 道路整備については、西興部五丁目道路改良舗装工事、橋梁長寿命化補修対策による二橋の補修工事を実施するほか、二三橋の橋梁点検を行うこととしております。
 道路維持につきましては、村道維持補修工事、路面整正、草刈り・小径木除去の実施や、冬期間の除排雪業務など迅速な対応に努めて参ります。
 河川については、昨年に引き続き、お茶水の沢川のボックスカルバート改修工事のほか、石灰の沢川土砂撤去工事を実施することとしております。
 安全、安心なむらづくりについては、上興部第2分団に配置している消防タンク車の更新をはじめ、役場に設置している北海道総合行政情報ネットワーク設備の更新工事など、防災対策をさらに進めるとともに自衛隊と連携した防災セミナーを実施し、村民の防災意識の高揚を図ります。
 また、村民の皆様と一丸となって取り組んでおります、交通安全運動をさらに推し進め、交通事故死ゼロ記録の目標である一万日達成を目指すとともに、全国的に急増している高齢者の交通事故対策として高齢者運転免許証自主返納補助金制度を創設し、高齢者の事故防止にも取り組んで参ります。
 さらに、交通手段の確保として、引き続き上興部方面への通院・入浴及び未就学児や生徒などの送迎の実施に加え、新たに名寄本線代替バスを利用して名寄紋別間の病院へ通院する高齢者への通院助成を追加し、オホーツク紋別空港の利用促進を図るため、紋別羽田便を利用された村民及びホテル森夢の宿泊者に、航空運賃の一部を助成する制度を引き続き実施して参ります。
  情報通信事業については、これまで整備されたシステムのセキュリティ強化を図りながら有効に活用し、行政情報や地域情報の迅速な提供に努めて参ります。

ともに支えあい、安心して暮らせるむら

村議会議員
 少子高齢化が一層進む中で、高齢者や障がい者に対する支援、子育てへの支援、健康づくり対策など、村民皆様がこの村で安心して生活していくためには、保健・医療及び福祉の充実が不可欠であります。
保健・医療については、疾病の早期発見や、早期治療を目的とする住民検診及び保健師によるきめ細やかな健康相談を充実させ、検診結果に基づいた疾患に対する理解を深めるための健康指導に努めるほか、村民皆さんが生活習慣病への関心を持ち、自らの健康状態を自覚し健康増進に取り組むことができるよう、「ヘルスアップ教室」、「ウォーキング教室」を実施するとともに、村民がホテル森夢で入浴する場合、料金が半額になる「元気回復入浴事業」も引き続き実施し、入浴を含めた健康の増進を図って参ります。
 また、インフルエンザにかかると細菌性肺炎になりやすいことから、65歳以上の高齢者に対する、1回目の肺炎球菌ワクチン接種費用の全額公費負担を引き続き行うとともに、今年から2回目の接種に対しても費用の半額を助成し、負担の軽減を図って参ります。
 新たに風疹、おたふくかぜワクチンについて公費負担を一部行い、感染拡大の防止にも努めて参ります。
 そのほか、細菌性髄膜炎の予防のため0歳から4歳の乳幼児を対象に、ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチン接種事業及び、中学1年生から高校3年生までを対象に、子宮頸がん予防ワクチン接種についても全額公費負担していくとともに、修学前の発達支援を行うことを目的に、引き続き5歳児健診も実施して参ります。
 さらに、不妊治療に係る経済的負担の軽減を図り、子どもを産み育てやすい環境づくりのため、治療費の一部を助成する不妊治療費助成事業や産前産後サポート事業として助産師による相談も実施して参ります。
 そのほか、ITによる高齢者見守り緊急通報システムにより、高齢者等の安心・安全に努めるほか、緊急時に重要な医療情報をコンパクトに収納し、患者の救急情報を医療従事者に伝えるための「命のバトン事業」についても引き続き実施して参ります。
 また、介護保険事業においては、村社会福祉協議会がディサービス事業とホームヘルプ事業と併せて実施しており、在宅サービスの一元化により利便性を図っているところでありますが、ディサービス事業については、収入減少により赤字運営となっていることから必要額を補填をして参ります。
 これらの事業に対しては、高齢者の元気な生活を維持するため、ディサービス及びホームヘルパーについて実質的に料金を無料とする「在宅元気生活支援事業」を引き続き実施し、高齢者への除雪サービス事業や、通院費助成、福祉入浴、敬老会執行経費に対しても助成をするほか、社会福祉協議会に対しては、新たに事務職員の費用についても助成を行い、高齢者福祉の充実を図って参ります。
 障がい者福祉については、紋別療育センターの運営に係る費用を負担をするほか、通所する利用者交通費の実費助成を行い、経済的負担の軽減を図ると共に、これまで通り自立支援給付と地域生活支援事業による支援について所要額を計上するほか、清流の里本体増設工事費を補助し、利用者に対する生活環境の充実を図って参ります。
また、にしおこっぺ福祉会で働く、看護職員や介護職員の充実を図るため、奨学金貸付制度及び就職準備資金貸与制度に対し引き続き支援を行います。
 児童、母子福祉については、つくし保育所の保育料を無料化し幼児教育の負担軽減を図るとともに、引き続き保育時間の延長や、1歳児保育、保護者の傷病などによる緊急時の一時預かり制度を引き続き実施して参ります。
 また、子育て支援センター「里住夢」を有効に活用し、子育て支援を行います。
 子供医療費無料化事業については、18歳到達年度の3月31日まで医療費の全額を引き続き助成するとともに、妊婦検診を14回まで無料で受けられるほか、医療機関までの交通費を引き続き助成し、安心して子供を産むことが出来る環境づくりを進めて参ります。
 さらに、エンゼル祝金や紙おむつなどの育児用品購入助成事業及び、村で生まれた赤ちゃんに、木のおもちゃをプレゼントする「夢のおくりもの事業」のほか、3ケ月乳児健診時に絵本をプレゼントする「ブックスタート事業」を引き続き実施するとともに、子育てハンドブックによる出生及び子育てをさらに支援することとしております。
  また、経済的な理由から結婚に踏み出せない人に、新婚生活準備に係る費用の一部を引き続き支援して参ります。
 西興部厚生診療所における診療を円滑に行えるよう、電子カルテ機器の導入やレントゲン装置、分包器の更新、さらに停電時に備え非常用発電機を設置し、ニーズに応じた診療体制整備を図って参ります。

活力と交流のむら

議員
  酪農の振興対策については、道営草地整備事業による草地整備、及び道営土地改良事業による上・中藻地区の営農用水整備を、計画的に実施するとともに、昨年バイオガスプラントが本格稼働し、農家の糞尿処理対策と悪臭などの環境対策を図ったところでありますが、このバイオガスプラントで出来た消化液を液肥として畑に散布、発生したメタンガスを発電会社に売却して、エネルギーの循環を促進して参ります。
 また、エゾシカやヒグマによる鳥獣被害が絶えない中、被害防止のため、西興部村鳥獣被害防止対策協議会による電気柵の設置や一斉駆除、食肉などの有効活用や残滓処理などに対して引き続き支援を行うほか、国の中山間地域など直接支払交付金事業、及び多面的機能支払交付金事業に継続して取り組み、農業所得の確保と農業者の経営・生産意欲の向上を図って参ります。
 更に、新規就農者をはじめ担い手確保のため、新規就農者支援事業補助や、農業次世代人材投資資金、酪農ヘルパー運営事業への助成、各種制度資金の利子補給などについても、引き続き実施して参ります。
 林業振興対策については、長引く森林経営の低迷による所有者の経営意欲の低下や、所有者不明森林の増加などが大きな課題となっており、国は、次世代に豊かな森林を引き継いでいくため森林環境税を創設し、昨年より「森林環境譲与税」の自治体への譲与が開始されたところでありますが、森林整備や担い手の確保、木材利用の普及啓発を推進するための取り組みについて、今後、オホーツク中央森林組合と検討・協議して参ります。
 また、森林所有者の負担軽減を図るため、村独自の「民有林造林事業推進奨励事業」や、「未来につなぐ森づくり事業」を継続して実施し、村有林については、森林経営計画に基づき、間伐や下刈り、皆伐及び新植事業など適切な保育管理に努めるほか、林道についても林道草刈・路面正整・小径木除去など、適切な維持管理に努めて参ります。
 自然を生かした観光交流の促進については、村内「夢」施設の連携を深めるとともに、ホテル「森夢」については、厳しい経営環境ではありますが、経年劣化によるエレベーター設備の更新など、利用者が快適な環境で利用できるよう、必要な維持管理に努めるとともに、道の駅・フラワーパーク花夢については、昨年「青いケシ」の効果により、有料区への入場者が一.五倍となったほか、新たに樹木を利用した変化のある空間を創出するなど、来場者の増加に向け取り組んでいるところであり、引き続き整備を行い広報宣伝に努めて参ります。
 森林公園については、各施設が相当の期間を経過したことから、昨年度「森林公園改修整備基本方針」を作成し、令和二年度は、より具体的な整備内容を検討するため、基本構想・基本計画の作成を進めるほか、興楽園についても、日本庭園として村の貴重な観光資源と財産であることから、必要な維持管理に努めて参ります。
 商工業の振興については、オホーツク楽器工業が創業以来三○年を経過し、施設や設備の老朽化が著しく、特に塗装部門において生産の低下を招いていることから、塗装ブース及び空調設備の新設をはじめとした大規模改修を行うとともに、従業員確保に向けた就職準備金の貸付に支援し、生産性の向上を図るとともに、中小企業の運営資金を支援するための政策預託と、中小企業・商工業者の借入利息や保証料の助成について引き続き実施して参ります。
 更に、観光パンフレットの更新や観光・特産品などの情報発信を行うとともに、観光振興による地域経済の好循環や、交流人口の増加による移住促進効果が見込まれることから、昨年に引き続き移住・マッチング支援事業を北海道と連携して取組む他、起業家支援対策として、起業をめざす方や異業種事業を始める事業者に対し、三○○万円を上限に支援する起業家支援事業を継続し、新たに委嘱型(起業)地域おこし協力隊制度を設け、村で起業を目指す人を地域おこし協力隊として採用するなど、地域活性化のための人材確保と起業支援を推し進め、人口減少の鈍化に繋げて参ります。
 また、地域資源を活用した新商品の試作開発・販売実証についても引き続き取組み、持続可能な「しごと」づくりを目指し、新たな産業・雇用の創出に取り組むとともに、村民や事業者自らが特産品の開発や村のイメージキャラクター「セトウシくん」の活用などを積極的に進めてもらうよう、新たな支援制度を設けたところであります。

人と文化を育てるむら

村民文化祭
 教育関係予算については、後ほど教育長から「教育行政執行方針」の中で詳しく申し上げますが、教育委員会との協議により策定いたしました「教育大綱」の理念と方針に基づき、教育環境の整備・充実に努めて参ります。 また、法律に基づく「総合教育会議」を開催し、今日的な村の教育課題について協議し、施策に活かして参りたいと考えております。
 さらに、少子化はもちろんのこと、子どもたちを取り巻く環境も、これまで予想もしなかった事件や、事故に巻き込まれるなど、依然として不安な社会環境が続いている中、子供は自分の育つ環境を選ぶことは出来ません。
 このことから村は教育委員会とこれまで以上の連携を図り、安全・安心な地域づくりのために力を尽くすことといたします。 

みんなで創るむら

防災セミナー
村民自ら考え、自ら行動する自主的なまちづくり活動に対し助成している「西興部村元気なむらづくり応援事業助成制度」を引き続き実施するなど、自主的な地域づくり活動や、地域内コミュニティの連携強化につながる研修活動に助成し、地域の活性化と自治意識の高揚をさらに図って参ります。
 また、人口の減少や少子高齢化の影響により、地域活動の担い手不足が課題になっていることから、総務省の施策である「地域おこし協力隊制度」を有効に活用し、村内での起業活動に特化した制度を追加するなど、定住定着に結びつく取組を強化し、都市からの人材の取り込み、活力維持と魅力の再発見など、新たな展開に向け引き続き進めるとともに、名寄市、士別市を中心市とする北・北海道中央圏域定住自立圏形成では、引き続き次救急医療体制やバス路線の維持・確保の他、名寄市立大学からの講師の派遣や職員研修会の開催など、安心して暮らせる定住自立圏の形成を図って参ります。
  以上、令和二年度の村政執行に臨む所信と、各会計予算案の概要について申し上げましたが、よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げ、重ねて村議会議員の皆様をはじめ、村民皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、結びといたします。

問い合せ先・担当窓口

企画総務課 調査広報係