令和6年度村政執行方針

令和6年度の予算等を審議する第1回村議会定例会が3月7日から3月8日までの日程で開催され、その席上菊池村長は新年度に向けた村政執行方針を述べ、主要な施策を明らかにしました。

○基本理念 『村民の「夢叶う」むらづくり』

○重点目標
 ・活力ある村づくり ・支えあう村づくり ・美しい村づくり ・人を育てる村づくり
○総合目標
 ・2031年度末 人口1,000人以上

はじめに

執行方針を述べる菊池村長
執行方針を述べる菊池村長

 令和6年第1回村議会定例会の開催にあたり、村政執行に対する所信表明と令和6年度予算編成の概要を申し上げ、村議会並びに村民皆様方のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 はじめに、この度の令和6年能登半島地震により、お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災されました皆様に心よりお見舞いを申し上げます。被災された自治体には一日も早い復旧・復興に向けて、ご尽力されますようお祈り申し上げます。
 私は、村民の皆様からご支持・ご支援を賜りまして、3期目となる村づくりを担わせていただき、今年はその2年目となります。
これまで、住むことに誇りと喜びが実感できる、「村民の夢叶う村づくり」を掲げ、議員各位や村民皆様に支えられ、道路や河川、住宅等の生活環境整備をはじめ、子育て世帯や障がい者の拠点施設整備、オホーツク楽器工業の大規模改修、乳牛のふん尿処理によるバイオガスプラント建設、買い物弱者対策として地域商業施設の建設や商工会事務所の建設など、国の地方創生事業などの各種補助事業を活用しながら、「酪農や林業、商工業などの産業振興」、「医療や福祉・介護の推進、子育て支援・教育環境などの充実」、「定住・移住環境や観光推進と交流人口の拡大」等、様々な課題解決に向け村政運営に努めてきたところであります。
 また、令和2年1月に初めて感染者が確認された新型コロナウイルス感染症は、昨年の5月に感染症の位置付けが5類に移行され、平時への回帰が進みつつある一方で、長引くロシアのウクライナ侵攻や中東情勢など深刻な国際情勢に伴い、経済の低迷と物価高騰など国民生活と経済活動に甚大な影響を及ぼしております。
我が国では、急速に進行する少子化・人口減少が大きな課題となっており、本村においても、小さな子どもを持つ家族が村外へ転出するなど、人口減少がより一層進んでおり、令和5年の人口動態につきましては、自然増減で11人の減少と社会増減で38人の減少で総体では49人の減少となり、ここ数年では最大の流出となりました。特に福祉施設関係やギター工場関係者の流出が大きく、各事業所での働き手不足による組織運営が非常に厳しい状況から、雇用の確保や人材育成が喫緊の課題であり、村政を取り巻く環境は一層厳しさを増しております。
 この難局を乗り越えるためにも村民の皆様と一緒に手を携え、この村でいつまでも住み続けて頂くための施策の見直しを行いながら、「美しく住みよい活力ある村づくり」の村政執行にあたる所存でありますので、村民皆様方のご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

重点事項

議員
議員

  国は、人口減少・少子高齢化等が進む中で、持続可能で夢が持てる地域社会を形成するため、地域におけるDX、デジタルトランスフォーメーションの推進を図ることとしており、令和5年度から5カ年計画の「デジタル田園都市国家構想総合戦略」を策定し、デジタル基盤の整備や自治体DXの推進に取り組むことが求められております。各自治体においても、デジタルの力を活用した社会課題の解決や魅力向上に取り組むことが重要となり、本村におきましても、「西興部村総合戦略」を改訂し、地域の資源やデジタル技術等を有効活用しながら、暮らしやすく、魅力あふれる地域づくりを推進し、都市から西興部村へ人の流れができるよう取り組んで参ります。
また、地球温暖化を食い止める脱炭素化の推進は、あらゆる分野や各自治体で一層の取り組み強化が進められており、本村においてもエネルギーの地産地消をはじめ、公共施設のLED化や公用車のハイブリッド化を進めるなど、地域脱炭素の取り組みを推進して参ります。
 西興部村は、これまで積み重ねて参りました歴史と自治の成果を、来る開村100年に向けてたゆまない取り組みを進めていくために、行政と住民との協働により持続可能な地域の実現を目指して参りたいと考えますので、議員の皆様方をはじめ、各事業所・団体など、村民皆様のより一層のご支援とご協力をお願いするところです。

予算概要

議員
議員

 令和6年度一般会計予算総額は、27億700万円の前年度比7.5%減となり、公債費を除く歳出は21億9,810万円で、前年度比8.7%減となったところであります。
 このうち経常的経費では、公共施設LED 化に伴う電気料や公債費などの減により、前年度比17.5%減の14億9,086万円となり、政策的経費では、にしおこっぺ福祉会運営補助をはじめ、村内イントラネットワーク機器更新、厚生診療所の電子カルテ更新、札滑ウエンシリ線法面改良、忍路子線道路改良、村道流末排水路整備、オホーツク楽器工業施設整備への補助などにより、前年度比8.7%増の12億1,615万円を計上したところであります。
 なお、令和6年度の予算編成にあたっては、公共施設エアコン整備事業の財源として、公共施設整備基金を充当したほか、ふるさと納税を積み立てる「ふるさと応援基金」を、寄付者の意向に沿った各事業に充当するなど、基金を有効活用することとし、令和6年度末基金残高は、2億5,947万円減の62億1,382万円を見込んだところであります。
一方、特別会計を含めた地方債と債務負担行為を加えた将来にわたる長期債務は、2億6,560万円減の41億1,118万円になる見込みですが、近年のバイオガス事業や森林公園改修事業などの財源として発行した過疎対策事業債の元金償還も順次始まることから、今後の行政執行並びに予算編成において、その必要性と優先順位を見極めつつ、必要な事業はスピード感を持って重点的に取り組んでいく所存です。

各分野別予算概要

 これより第5期総合計画の分野別目標に沿って、令和6年度一般会計予算の主要な施策について、ご説明申し上げます。

誰もが住み慣れた場所で豊かにくらせるむら

旗の波運動
旗の波運動

 住宅環境整備として、興栄団地公営住宅1棟4戸の屋上防水改修、上興部第3団地公営住宅1棟2戸の屋根・外壁の塗装工事を行います。
民間住宅支援として、持家建設促進のための奨励補助金や快適な住環境を確保するための住宅リフォーム補助金につきましても、必要な予算を計上したところです。
 また、村独自の建物解体補助に加え、国の制度を活用した空き家解体撤去事業を継続し、住民負担の軽減と景観の保全に努めて参ります。
 道路整備につきましては、橋梁長寿命化事業で実施する天北跨線橋更新事業のうち、令和5年度補正工事で橋梁を撤去し盛土構造へ更新するほか、現在、老朽化により通行止めにしている「中興橋」の撤去設計を行います。
 また、西興部忍路子線道路改良事業では、延長150mの道路工事と交差点設計を行うほか、中藻地区の村道布登呂道路流末排水路整備事業では、横断管渠の排水工事を行います。
 道路維持につきましては、防災性向上のため維持管理を適切に実施するとともに、除排雪事業では、新たにGPS除雪システムを導入し、除雪事業の補助金を活用して、除排雪作業の迅速な対応に努めて参ります。
 河川につきましては、農業水路等長寿命化事業により「札滑川」の橋梁3箇所の護岸設計のほか、河道洗掘対策や土砂撤去などの維持管理を適切に実施して参ります。
 安全・安心なむらづくりにつきましては、村民の高齢化に伴い、年々増加傾向にある救急出動に対し、救急救命士の資質の向上、救急体制の強化として救急車積載除細動器を更新するとともに、村民が安全に暮らすために、消防団員の確保と火災や災害活動で使用する装備の充実を計画的に行って参ります。
 また、専門知識を有する講師を招いて防災セミナーを開催し、村民の防災意識の高揚を図るとともに、国や道の防災計画やガイドライン等に対応するため、村の防災計画の改訂を行います。
 交通安全運動につきましては、一日たりとも休むことのできない運動であり、交通事故死ゼロ記録の目標である30年達成まで1年を切っておりますので、村民皆様のご協力のもと、交通事故死ゼロが永遠に続くよう、引き続き交通安全啓発の強化に努めて参ります。
 地域公共交通として、上興部地区などからの通院・入浴並びに保育所園児や児童生徒などの送迎を行うとともに、名寄本線代替バスを利用して村外の病院へ通院する高齢者への通院助成を行うほか、市街地以外で生活する高齢者等がいつまでも地域で生活していくための生活支援等の一環として、市街地での買い物等で名士バスを利用した際の運賃助成を行います。
 また、オホーツク紋別空港の利用促進を図るため、紋別羽田便を利用した村民及び道外からのホテル森夢宿泊者に、航空運賃の一部を引き続き助成して参ります。
情報通信事業につきましては、これまで整備したシステムや機器を計画的に更新するとともに、様々な媒体を活用し行政情報や地域情報の迅速な提供に努めて参ります。

出産も子育ても介護も医療も安心できるむら

キッズサロンの様子
キッズサロンの様子

 少子高齢化が加速する中、高齢者や障がい者、子育て世代への支援、村民の健康増進など、村内で安心して生活を続けていくためには、保健・医療・福祉
の充実が不可欠であります。
 西興部厚生診療所の馬場医師には、平成30年の着任以来、診療所での診療をはじめ、施設や個人宅への往診、訪問診療に、また、歯科診療所の菅原医師には、長年村での歯科診療にご尽力いただいており、村の地域医療をしっかりと支えていただいておりますことに、大変感謝申し上げます。
 本村における更なる医療体制の充実を図るため、厚生診療所では、電子カルテ機器の更新を行い、歯科診療所では、デジタル式X線機器を導入することとしております。
 また、村外専門医療機関での受診が困難な高齢者等が多いことから、現在の整形外科医の招へいに加え、新たに月2回、循環器内科の専門医師を招へいするほか、加齢や疾病、障がい等により公共交通機関を利用することが困難な方を対象とした、村社会福祉協議会が実施する福祉有償運送事業への補助により、村内外の医療機関への通院が困難な方などを支援し、村民の皆様がいつまでもこの村で安心して生活できる医療受診体制の充実を図って参ります。

 そのほか、疾病の早期発見や早期治療につなげるよう住民検診を実施し、検診結果に基づく保健指導をはじめ、きめ細やかな健康相談を充実させるとともに、村民の皆様が生活習慣病に関心を持ち、自らの健康管理と健康増進に取り組むきっかけとなるようヘルスアップ教室や元気回復入浴事業などにより、健康増進を図って参ります。
 感染症対策として、新たに男性に対するHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン接種費用の全額を助成するとともに、インフルエンザ予防接種や肺炎球菌、帯状疱疹、風しん、おたふくかぜ等の各種ワクチン接種の助成により接種を促し、感染拡大防止に努めて参ります。
 また、高齢者の安全・安心の確保を図るため、高齢者見守り緊急通報システムの活用や「命のバトン事業」についても、引き続き実施して参ります。

保育所遠足
保育所遠足
 介護保険事業では、デイサービス事業及びホームヘルプサービス事業に係る自己負担を軽減する在宅元気生活支援事業により、利用者が安心して在宅サービスが受けられるように努めて参ります。
更に、高齢者福祉では、社会福祉協議会に対する人件費の助成をはじめ、除雪サービス事業や福祉入浴事業、敬老会執行経費補助を行って参ります。
 また、障がい者福祉では、西紋こども発達支援センターの運営費用を負担するとともに、通所する利用者の交通費助成により負担の軽減を図るほか、自立支援給付及び地域生活支援事業により、障がいのある方が安定したサービスを受けられるよう努めて参ります。
社会福祉法人にしおこっぺ福祉会の施設で働く職員の確保が大変厳しい状況にあることから、人材確保に対する助成を継続するとともに、新たな支援として、村が外国人介護福祉人材育成協議会に加入し、外国人介護職員の確保に支援して参ります。
 また、昨今の人材不足や物価高騰により、にしおこっぺ福祉会が運営する特養、障がい者支援施設、ケアハウスは、大変厳しい経営を強いられておりますが、この3施設は本村福祉行政の中核を担い、雇用の場としても大変重要な施設であることから、経営の安定化に向け、運営費の補助と運転資金の貸し付けを行って参ります。
 子育て支援では、不妊治療費助成、産前産後サポート事業、産後ケア事業のほか、子育て支援アプリ「せとなび」による情報発信や子育て支援センター「里住夢」における交流事業の充実など、子どもを産み、育てる環境の充実を図って参ります。
また、乳幼児検診では、新たに3歳児健診時に、幼児の視力異常の早期発見と早期治療につなげることを目的に、幼児屈折検査を行うとともに、就学前の発達支援を目的とする5歳児健診を実施して参ります。
 なお、引き続き、子供医療費無料化事業、妊産婦安心出産支援事業、エンゼル祝金、夢のおくりもの事業、出産・子育て応援ギフト券事業など各種子育て支援事業により、出産、育児など子育て世帯への経済的・精神的負担の軽減を図るとともに、新婚世帯の経済的負担の軽減を図るため、結婚新生活支援事業を実施して参ります。
 つくし保育所では、保育支援アプリ「こどもん」を通して、保護者との連携を図りながら、木育や英語に親しむ機会を設けるなど、地域性を活かした保育に努めるとともに、保育室へのエアコンの設置や園庭遊具を更新するなど、保育環境の充実に努めて参ります。

個に応じた特色ある教育を受けられるむら

スマホ教室の様子
スマホ教室の様子
 教育関係予算については、後ほど教育長から「教育行政執行方針」の中で詳しく申し上げますが、「教育大綱」の理念と方針に基づき、子どもたち一人ひとりの可能性を引き出す教育の推進、学びの機会を保障し、質を高める環境の確立、地域と歩む持続可能な教育の実現に努めて参ります。
 また、芸術鑑賞の機会や公民館講座など学習機会を提供するとともに、村民が生きがいを持って活動ができるよう住民相互の学習活動を支援し、地域に根付いた様々な文化活動の振興と地域コミュニティの活性化を図って参ります。

新しい産業の創造と人材誘致の仕組みが整っているむら

人材確保
人材確保
 国全体の人口が減少する中、本村においても人口減少が続き、令和5年10月以降、第5期西興部村総合計画の総合目標である人口1,000人を下回る状況が続いており、村内の事業所でも人手不足による生産性の低下やサービスの縮小などが続いていることから、人材の確保や育成が急務であります。
この状況を打開するため、移住・マッチング支援事業を北海道と連携して取り組むほか、地域おこし協力隊制度の活用、にしおこっぺ福祉会やオホーツク楽器工業の人材確保に対する支援を継続するとともに、現在主流となっているSNSを活用し、人材確保を目指す事業にも新たに取り組んで参ります。
 村の知名度向上や来訪者を増やすため、これまでの来訪者促進イベント事業等の成果を踏まえ、北見や旭川など日帰り圏内でのイベントを通じてPR等を行うなど、必要な取り組みを進めて参ります。
 また、村を応援してもらうきっかけづくりとして、村内で開催する同窓会等の経費を支援するとともに、交流人口や関係人口の増加や将来的な人材確保に繋がるよう、インターンシップ受入支援事業の対象者をこれまでの大学生だけでなく高校生にまで拡大して、滞在費などを支援して参ります。
 更に、村のイメージキャラクター「セトウシくん」の活用拡大に向け、新たにセトウシくんLINEスタンプの制作や村外でのPR活動が増えることから着ぐるみを更新するとともに、村民や事業者が行う特産品開発などにも引き続き支援を行って参ります。
 観光振興においては、令和4年度に着手した森林公園改修事業が完了したことから、村外でもPRを行ない、たくさんの人々が訪れてくれるようリニューアルオープンイベントを開催いたします。
「ウィズコロナ・アフターコロナにおける西興部村の観光振興」について検討を行うため、令和4年度から北海道大学の教授をアドバイザーとして「観光を考える意見交換会」を開催してきましたが、参加者から村の観光振興の方向性についてご意見をいただきましたので、その実現に向けて必要な取り組みを進めて参ります。
 また、多くの方が来館する道の駅「花夢」の顔である「からくりオルガン」につきましては、ここ数年、人形等が正常に動かない状態でありましたが、導入当時の正常な状態に戻すための改修を行ないます。
 観光施設としての役割も担っている活性化センターリムにつきましては、電話設備の更新や男子サウナ室の改修、会議用テーブル購入を行うなど老朽化した施設を維持保全すべく、優先度の高い項目を予算化したところです。
 このほか日本庭園「興楽園」を貴重な村の財産として保全管理するとともに、引き続きホテル森夢の運営支援を行うほか、来訪者の増加に向けて観光情報の効果的な発信に努めて参ります。
 商工業においては、令和5年度から村内の消費喚起のため、1割引きで販売するよう補助している商工会商品券事業が、好評により予定枚数以上の販売があったことから、更に増額支援をすることといたしました。
引き続き第3セクターであるオホーツク楽器工業の人材確保に支援するほか、工場敷地内の維持管理に必要な排水路工事に支援して参ります。
 また、ふるさと創造支援事業を活用した新規事業の更なる創出や既存事業者の経営基盤強化のほか、中小企業の経営安定化を図るため、運営資金を支援するための政策預託と借入に対する利子補給や保証料の助成についても引き続き
行って参ります。

農林業の生産加工基盤が安定しているむら

シナノ木植樹の様子
シナノ木植樹の様子
 基幹産業である酪農においては、厳しい酪農情勢を受けて令和4年度末に生乳生産調整を課せられ、令和5年の年間生乳生産量が、前年比17%減の16,782tとなり、長引く飼料や燃料をはじめとする農業資材の価格高騰に加え、個体販売価格の低下など、昨今の酪農情勢はこれまでにない厳しい状況が続いております。
また、本村では、これまで10数年、法人を含め16戸の酪農家戸数を維持してきましたが、令和4年度に2戸、令和5年度に1戸が離農され13戸となり、今後も1戸の離農が予定されていることから、JAオホーツクはまなすなど、関係機関と連携した対策が急務であります。
 このような中、今後も農家戸数の維持が重要であり、将来の後継者や担い手不足の解消に向け、新たに地域おこし協力隊員を酪農支援担当として配置し、新規就農者及び農業就労者の確保を図るとともに、農業体験・研修支援事業、新規就農者支援事業補助、酪農ヘルパー運営事業への助成など、引き続き必要な支援を行うほか、農業所得の確保と農業者の経営・生産意欲の向上を図るため、国の中山間地域直接支払交付金事業及び多面的機能支払交付金事業を継続して取り組んで参ります。
 また、農業基盤整備事業として道営事業により草地整備や上・中藻地区の営農用水整備を進めるとともに、ヒグマの春期管理捕獲に取り組むなど、エゾシカやヒグマによる鳥獣被害防止対策の支援強化や食肉などの有効活用、残滓処理などに対して支援をして参ります。
 バイオガスプラントの余剰熱の利用を目的に、令和4年度から2カ年で必要な設備等を整備した「みかんハウス栽培事業」につきましては、今春に苗木を植栽いたしますが、道内でも例がない初めての取り組みですので、余剰熱利用ハウスの指定管理者と協力して、数年後には収穫できるよう進めて参ります。
林業においては、厳しい林業経営は変わらず、森林所有者の高齢化や後継者不足により、森林整備への意欲が減退し、森林の持つ機能の低下や荒廃化が危惧されていることから、森林環境譲与税を有効に活用し、森林整備や担い手の確保、木材利用の普及啓発を推進して参ります。
 村有林事業では、森林環境譲与税を活用して、ギターの原料となるシナの植樹を継続するほか、森林経営計画に基づく間伐や下刈り、皆伐、新植など、適切な保育管理に努めて参ります。
 林道事業では、令和6年度から3カ年で実施する森林基幹道改良事業のうち、札滑ウエンシリ線の法面改良事業を行うほか、林道草刈・路面整正・小径木除去など、適切な維持管理に努めて参ります。

美しい自然環境が保たれているむら

我が村は美しく事業
我が村は美しく事業
 村づくりのテーマ実現のため、「美しい村づくり条例」に基づく建物の色彩統一に向けた支援や空き家対策などを進め、更なる景観形成を進めて参ります。
 また、村民皆様をはじめ、企業・団体、関係機関とも連携・協働して、街中に花を植える「我が村は美しく事業」のほか、各家庭や事業所に花を飾るための支援継続により、花いっぱいの景観づくりを推進し、村に暮らす人や訪れる人が心癒される「美しい村づくり」に努めて参ります。
 脱炭素化の推進に向けた取り組みとして、太陽光発電システム設置に対する支援を継続するとともに、前年度に続く公共施設のLED 化や公用車を環境性能に優れた低燃費型車両に更新し、CO2の排出削減と電気料や燃料費の高騰対策を同時に進めて参ります。

住民と行政の協働が根付くむら

少年消防クラブ夜回り
少年消防クラブ夜回り
 本村は、令和7年に開拓120年・開村100周年の節目を迎えることから、村民と行政の協働により記念事業等の検討を行い、この節目を村民皆様と共に祝い、村のこれまでの歩みを振り返るとともに、持続可能な地域の実現を目指して参ります。
 また、自主的なまちづくり活動を支援する「美しく住みよい活力あるむらづくり応援事業」として、花いっぱい運動の推進をはじめ、町内会活動の推進、異業種が企画するイベントや小規模イベントの開催に対する支援のほか、団体活動に対する支援を拡充し、地域の活性化と自治意識の高揚を図って参ります。
 広域連携の推進につきましては、引き続き西紋別地域をはじめ、オホーツク圏の自治体と連携を図るとともに、名寄市・士別市を中心市とする北・北海道中央圏域定住自立圏の取り組みでは、2次救急医療体制や災害時に必要な情報の共有と相互応援体制の強化など、安心して暮らせる定住自立圏の形成を図って参ります。
 更に、議員の皆様と共に、議会におけるICT化を推進し、タブレット端末の導入による会議資料のペーパーレス化や事務作業の軽減化など、デジタル技術を活用して、行政運営の効率化を図って参ります。
 本村の「ふるさと応援寄付金」、いわゆる、ふるさと納税は、令和5年度に大手ポータルサイトでの申し込みを開始したこともあり、令和6年2月末時点の寄付件数は、過去最多だった平成30年度の64件を大きく上回る154件となり、寄付金額は約700万円となっております。
 ご寄付をいただいた全国の皆様にあらためて感謝を申し上げますとともに、皆様にお届けする返礼品についても、村内事業所との連携を図りながら工夫を凝らし、さらなる応援をいただけるよう努めて参ります。
 また、寄付金を財源として積み立てている「ふるさと応援基金」につきましは、子育て施策や地域産業の振興のための貴重な財源として有効に活用させていただき、ご寄付をいただいた方々の思いに応えて参ります。

 以上、令和6年度の村政執行に臨む所信と、各会計予算案の概要について申し上げましたが、よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げ、重ねて村議会議員の皆様をはじめ、村民皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、
結びといたします。

問い合せ先・担当窓口

企画総務課 情報統計係