令和7年度村政執行方針

令和7年度の予算等を審議する第1回村議会定例会が3月10日から3月11日までの日程で開催され、その席上菊池村長は新年度に向けた村政執行方針を述べ、主要な施策を明らかにしました。

○基本理念 『村民の「夢叶う」むらづくり』

○重点目標
 ・活力ある村づくり ・支えあう村づくり ・美しい村づくり ・人を育てる村づくり
○総合目標
 ・2031年度末 人口1,000人以上

はじめに

執行方針を述べる菊池村長
執行方針を述べる菊池村長

 令和7年第1回村議会定例会の開催にあたり、村政執行に対する所信表明と令和7年度予算編成の概要を申し上げ、村議会並びに村民皆様方のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 我が国の少子高齢化と人口減少の進行は、社会・経済・地域など様々な分野において、深刻な影響を及ぼしていますが、地方の町村は高齢化が進み人口減少が避けられず、地域産業の振興や少子化対策等に努め、地域社会を持続可能なものとすべく懸命な努力を行っております。

重点事項

議員
議員

  国では、平成26年に「まち・ひと・しごと創生法」を制定して以降、自治体が行う地方創生の取り組みに対する支援が行われてきましたが、人口減少、少子高齢化、東京一極集中など、大きな流れを変えるには至っておりません。

 この人口減少は本村においても例外ではなく、令和6年の人口につきましては、自然動態で11人、社会動態で14人、総体では25人の減少となり、直近3カ年で78人もの減少は非常に憂慮すべき問題で、特に福祉施設やギター工場の従業員の流出が大きく、各事業所での働き手不足による組織運営が非常に厳しい状況から、雇用の確保や人材育成が喫緊の課題であり、村政を取り巻く環境は一層厳しさを増しております。
 私はこれまで、住むことに誇りと喜びが実感できる、「村民の夢叶う村づくり」を政策の柱として掲げ、村民の皆様からご支持・ご支援を賜り、村政運営を努めて参りました。
 道路や河川のインフラ整備と住宅等の生活環境整備をはじめ、子育て世帯や障がい者の拠点施設整備、オホーツク楽器工業の大規模改修に、乳牛のふん尿処理対策のバイオガスプラント建設、買い物弱者対策としての地域商業施設の建設や、子育て支援センターと商工会事務所の複合施設の建設など、国の地方創生事業など各種補助事業を活用しながら、「酪農や林業、商工業の産業振興」、「医療や福祉・介護の推進」、「子育て支援・教育環境の充実」、「定住・移住環境や観光推進と交流人口の拡大」等、様々な課題解決に向け取り組んできたところであります。
 しかし、令和2年1月に発生した新型コロナウイルス感染症のほか、長引くロシアのウクライナ侵攻や中東戦争など深刻な国際情勢に伴い、経済の低迷と物価高騰が未だ、国民生活と経済活動に甚大な影響を及ぼしております。
 こうした中で昨年発足した石破新内閣では、少子高齢化や人口減少に対応するため、「新しい地方経済・生活環境創生本部」が創設されるとともに、地方創生の交付金については、当初予算ベースからの倍増を目指す方針が示され、地域の持続可能性を追求していくうえで、デジタルへの対応は必須となっていくことから、本村におきましても、新たに策定した「第三期西興部村総合戦略」に基づき、地域の資源やデジタル技術等を活用しながら、暮らしやすく魅力あふれる地域づくりを推進し、地域の課題解決に取り組んで参ります。
 本年は、1925年(大正14年)1月1日に興部村から分村し二級町村制がしかれ、西興部村として誕生して100年と言う節目の年を迎えました。
 先人の方々が森を切り開き原野を耕し、先輩達が道路や建物の近代化を進め、今日の美しい村を築きあげて頂きました。
 今、かつて先人達が経験したものとは異なる試練に直面しておりますが、これを乗り越えて明日の西興部村の進むべき道を切り拓いていくことが、今を生きる私達の責務であると考えているところであります。
 本年度は、開村100周年記念式典をはじめ、様々な記念事業を執り行い、村民の皆様とこの節目の年を祝うとともに、これまで先人達のたゆまぬ努力により築き上げられてきた、この美しい村を未来の子ども達に引き継いでいくために、持続的な村づくりに努めて参りたいと存じます。
 行政を取り巻く環境は課題が山積しておりますが、住民の安心・安全な暮らしと、村がより一層光り輝く将来に向かって持続的発展をしていくためにも、議会と十分協議しながら村政執行に努めて参りますので、議員の皆様方をはじめ、各事業所・団体、村民皆様のより一層のご支援とご協力をお願いするところです。

予算概要

議員
議員

 令和7年度一般会計予算総額は28億9,900万円で、前年度比7.1%増となり、公債費を除く歳出は24億507万円で、前年度比9.4%増となったところであります。

 このうち経常的経費は、公債費などの減により、前年度比1.3%減の14億9,697万円となり、政策的経費では、開村100周年記念事業をはじめ、酪農業振興対策、子育て支援や高齢者福祉事業、教育振興、中興部六興線道路改良、札滑排水路更新、営農用水施設整備など社会資本整備事業のほか、自治体情報システム標準化移行改修事業などにより、前年度比17.8%増の14億204万円を計上したところであります。
 なお、令和7年度予算編成にあたっては、活性化センターリムなど公共施設の改修等の財源として、公共施設整備基金を充当したほか、開村100周年記念事業に「ふるさと振興事業基金」の充当、ふるさと納税を積み立てている「ふるさと応援基金」を寄付者の意向に沿った各事業に充当するなど、基金を有効活用することとしたことから、令和7年度末基金残高は、3億3,341万円減の59億5,887万円を見込んだところであります。
 一方、簡易水道事業及び下水道事業を含めた地方債と債務負担行為を加えた将来にわたる長期債務は、2億6,839万円減の38億6,342万円になる見込みですが、近年のバイオガス事業や森林公園改修事業などの財源として発行した過疎対策事業債の償還も順次始まることから、今後の行政執行並びに予算編成においては、実質公債費比率や基金残高にも留意した上で、その必要性と優先順位を見極めつつ、地域の課題解決に取り組んでいく所存であります。

各分野別予算概要

 これより第5期総合計画の分野別目標に沿って、令和7年度一般会計予算の主要な施策について、ご説明申し上げます。

誰もが住み慣れた場所で豊かにくらせるむら

我が村は美しく事業
我が村は美しく事業

  住宅環境整備として、七重団地公営住宅と単身者住宅二棟10戸の屋上防水改修、上興部第2団地単身者住宅1棟6戸の内部改修工事を行います。

  民間住宅支援のうち持家建設奨励補助については、昨今の建築資材の高騰への対応と持ち家建設の促進を図るため、補助金額を増額するとともに、快適な住環境を確保するための住宅リフォーム補助につきましては、中古住宅を取得した際の支援を新たに設け、空き家の流動化と定住の促進を図って参ります。
また、村独自の建物解体補助のほか、国の制度を活用した空き家解体撤去事業を継続し、住民負担の軽減と景観の保全に努めて参ります。
道路整備につきましては、橋梁長寿命化事業で実施している「天北跨線橋」更新事業のうち舗装工事が完了するほか、「中興橋」の集約化撤去事業による中興部六興線道路改良工事を実施いたします。
西興部忍路子線道路改良事業の2カ年目は、法面工事と電柱移設工事を実施するとともに、除雪等も含め適切な維持管理に努めて参ります。
 河川整備につきましては、農業水路等長寿命化事業で「札滑川」の橋梁護岸更新工事を実施するほか、河道洗掘対策や土砂撤去などの維持管理を適切に実施して参ります。
 安全・安心なむらづくりにつきましては、村民の高齢化が進み、年々救急件数が増加しており、厚生診療所から他の医療機関に搬送する件数も増加傾向にあることから、救急体制強化の一環として高規格救急車を更新いたします。
更新予定の高規格救急車は、救急活動を行うために必要な資機材を備えており、これまでよりも高度な処置を行うことが可能になることから、更なる救命率向上に努めて参ります。
また、専門知識を有する講師を招いて防災セミナーを開催し、村民の防災意識の高揚を図るとともに、災害情報の伝達が確実に行われるようJアラートの機器更新を進めて参ります。
交通安全運動につきましては、今年1月30日24時をもって村民の皆様の悲願でありました交通事故死ゼロ30年を達成することができました。
これは平成7年1月31日から村民の皆様が一丸となり、一日も休まずに交通安全運動を続けてこられた賜物でございます。
村民をはじめ、関係機関などの皆様に心より厚く御礼申し上げますとともに、来る3月16日の達成祈念式典では、「交通事故死ゼロ35年」という新たな目標を掲げ、これまで同様に交通事故死ゼロが永遠に続くよう、啓発活動の強化に努めて参ります。
また、本村においては、買い物や通院など日常生活を送る上で車がなければ生活に支障が生じる方が多いことから、高齢者の免許返納を促す施策だけではなく、やむを得ず運転を続けなければならない方が、少しでも安心して村での生活を続けられるよう、高齢者向けの急発進抑制装置の設置助成制度を創設し、村民の皆様の安全・安心な暮らしを守れるよう努めて参ります。
 地域公共交通として、上興部地区などからの通院・入浴並びに保育所園児や児童生徒などの送迎を行うとともに、名寄本線代替バスを利用して村外の病院へ通院する高齢者への通院助成を行うほか、市街地以外で生活する高齢者等がいつまでも地域で生活していくため、市街地での買い物等で名士バスを利用した際の運賃助成を継続して参ります。
 また、オホーツク紋別空港の利用促進を図るため、紋別-羽田便を利用した村民や道外に住むその親族、道外からのホテル森夢宿泊者などに対し、航空運賃の一部を引き続き助成して参ります。
  情報通信事業につきましては、これまで整備したシステムや機器を計画的に更新するとともに、様々な媒体を活用し行政情報や地域情報の迅速な提供に努めて参ります。

出産も子育ても介護も医療も安心できるむら

宮の森公園オープン
宮の森公園オープン

 少子高齢化が加速する中、高齢者や障がい者、子育て世代への支援、村民の健康増進など、村内で安心して生活を続けていくためには、保健・医療・福祉の充実が不可欠であります。

  村内における医療体制においては、厚生診療所の馬場医師には、平成30年の着任以来、診療所での診察をはじめ、介護、福祉施設や個人宅への往診、訪問診療に、また、歯科診療所の菅原医師には、長年村での歯科診療にご尽力いただいており、村の地域医療をしっかりと支えていただいておりますことに、心より感謝申し上げます。
本村における更なる医療体制の充実を図るため、村外の専門医療機関での受診が困難な高齢者等が多いことから、現在、月1回の整形外科医及び月2回の循環器内科医を招へいし、村内における専門医療体制の確保に努めているところでありますが、それぞれの専門医の受診者数が増加していることから、4月から整形外科医は月1回から月2回に、循環器内科医は月2回から週1回に招へい回数を増やして参ります。
また、村外の専門医療機関へ通院されている方のうち、要介護状態や障がい等により公共交通機関を利用することが困難な方を対象に、村社会福祉協議会が実施する福祉有償運送事業にも引き続き補助を行うなど、村民の皆様が安心して専門医療が受けられるよう努めて参ります。 
春の消防演習
春の消防演習

 そのほか、疾病の早期発見や早期治療につながる住民検診の実施や結果に基づく保健師による保健指導をはじめ、きめ細やかな健康相談を充実させるとともに、村民の皆様が生活習慣病に関心を持ち、自らの健康管理と健康増進に取り組むきっかけとなるようヘルスアップ教室や元気回復入浴事業を継続するとともに、新たに食や運動をテーマとした教室等を開催し、健康増進を図って参ります。

 感染症対策、疾病予防対策として、インフルエンザや新型コロナウイルス、肺炎球菌、帯状疱疹、風しん、おたふくかぜ等の各種ワクチン接種の助成により接種を促進し、感染拡大防止と疾病予防に努めて参ります。
 また、高齢者の皆様が安心して生活が送られるよう高齢者見守り緊急通報システムの運用や命のバトン事業についても継続して参ります。
 在宅介護サービスにおいては、デイサービス事業及びホームヘルプサービス事業に係る自己負担の軽減を図るため在宅元気生活支援事業を実施し、利用者が安心して希望の在宅サービスが受けられるよう努めて参ります。
 更に、高齢者福祉対策として、社会福祉協議会事務局員の人件費の助成をはじめ、福祉除雪サービス事業や福祉入浴事業、敬老会開催経費の補助を行って参ります。
 障がい者福祉では、西紋こども発達支援センターの運営費用を負担するとともに、通所する利用者に対しては交通費を助成して負担の軽減を図るほか、自立支援給付及び地域生活支援事業により、障がいのある方々が安定したサービスを受けられるよう努めて参ります。
  社会福祉法人にしおこっぺ福祉会の施設で働く介護職員、福祉職員の確保が大変厳しい状況にあることから、外国人も含めた人材確保に対して、引き続き支援して参ります。
 また、昨今の人材不足や物価高騰により、にしおこっぺ福祉会が運営する特別養護老人ホーム、障がい者支援施設、ケアハウスは、大変厳しい経営状況でありますが、この3施設は本村の福祉行政の中核を担うものであり、雇用の場としても重要な施設であることから、経営の安定化に向けて運営費を補助して参ります。
交通安全 旗の波運動
交通安全 旗の波運動
 子育て支援として、不妊治療費助成、産前産後サポート事業、産後ケア事業のほか、子育て支援アプリ「せとなび」による子育て情報の発信や子育て支援センター「里住夢」における乳幼児に対する子育て支援事業の充実など、この村で安心して子どもを産み、育てていける環境の充実を図って参ります。
 また、本村の乳幼児検診は、3歳児健診での幼児屈折検査の実施や五歳児健診を実施しており、就学前の発達支援に力を入れて参ります。
 なお、引き続き、子供医療費無料化、妊産婦安心出産支援、エンゼル祝金、夢のおくりもの、妊婦のための支援給付など、各種子育て支援事業の実施により、出産から育児における経済的・精神的負担の軽減を図るとともに、新婚世帯の経済的負担の軽減を目的に結婚新生活支援事業も実施して参ります。
 つくし保育所の保育料は、これまで3歳未満児の課税世帯においては有償でしたが、子育て世代の負担軽減と、この村で安心して子育てできる保育環境の充実を図るため、村独自の子育て支援として、3歳未満児の完全無償化を行って参ります。
 また、木育や食育、英語、運動に親しむ機会を設けるなど、地域性を活かした保育に努めるとともに、保育支援アプリの活用や面談等を通して、保護者との連携を図って参ります。
子ども用トイレの改修や園庭入口ゲートの更新など、安全に配慮した環境整備にも努めて参ります。

個に応じた特色ある教育を受けられるむら

スマホ教室の様子
スマホ教室の様子
 教育関係予算については、後ほど教育長から「教育行政執行方針」の中で詳しく申し上げますが、第5期総合計画に掲げる「個に応じた特色ある教育を受けられるむら」の実現に向け、一人ひとりの子供が自らの可能性を伸ばせる教育環境の整備を推進して参ります。
新たに、「奨学金給付事業」及び「奨学金返還支援事業」を創設し、進学時と卒業後の両面から若者を支援することで、安心して学び、卒業後も本村で就職・定住できる環境を整え、若者が将来の選択肢を広げながらも、本村とのつながりを持ち続けられるよう支援し、地域の持続的な発展へとつなげて参ります。
また、芸術鑑賞の機会の提供や、公民館講座の充実を図るとともに、村民同士の学び合いを支援し、地域に根ざした多様な文化活動の振興と地域コミュニティの活性化に努めて参ります。

新しい産業の創造と人材誘致の仕組みが整っているむら

西興部ふるさと納涼盆踊り大会
西興部ふるさと納涼盆踊り大会
  国全体の人口が減少する中、本村においても人口減少が続き、令和5年10月以降、第5期西興部村総合計画の総合目標である人口1,000人を下回る状況が続いております。
このため村内の事業所では、人手不足による生産性の低下やサービスの縮小などが続いていることから、にしおこっぺ福祉会やオホーツク楽器工業の人材確保に対する支援をはじめ、地域おこし協力隊制度の活用、現在主流となっているSNSを活用した人材確保事業のほか、就業を目的として転入する方の移転費用の負担軽減に向けた支援制度を創設するなど、人材の確保に努めて参ります。
 村の知名度向上や来訪者促進に向けては、北見や士別など日帰り圏内でのイベントを開催し、より来訪者が増えるような取り組みを進めて参ります。
 このほか、村を応援してもらうきっかけづくりとして、村内で開催する同窓会等の経費を支援するとともに、交流人口や関係人口の増加や将来的な人材確保に繋がるよう、高校生や大学生を対象としたインターンシップ受入支援事業を継続して参ります。
 更に、村のイメージキャラクター「セトウシくん」の活用に対する支援や特産品開発などにも引き続き支援を行って参ります。
 観光振興においては、昨年リニューアルオープンした森林公園において、今年もゴールデンウィーク中にイベントを開催し、開村100周年を盛り上げて参ります。
 また、「観光を考える意見交換会」から頂いた意見の実現に向け、観光に携わる団体設立の準備など、必要な取り組みを進めて参ります。
 観光施設としての役割も担っている活性化センターリムにつきましては、引き続き運営支援を行うほか、大浴場設備の更新や客室の改修を行うなど、施設を維持保全すべく、優先度の高い項目を予算化したところであります。
 このほか日本庭園「興楽園」を貴重な村の財産として保全管理するとともに、来訪者の増加に向けて観光情報の効果的な発信に努めて参ります。
 商工業においては、令和五年度から村内での消費喚起のため、村の補助により一割引で販売している商工会商品券事業が好評のため、更に増額支援を行って参ります。
 また、ふるさと創造支援事業を活用した新規事業の創出や既存事業者の経営基盤強化のほか、中小企業の経営安定化を図るため、運営資金を支援するための政策預託と借入に対する利子補給や保証料の助成を行って参ります。

農林業の生産加工基盤が安定しているむら

防災セミナー
防災セミナー
 基幹産業である酪農においては、厳しい酪農情勢を受けて生乳生産調整を課せられ、令和5年の年間生乳生産量が、前年比17%減となったところですが、令和6年の年間生乳生産量は18,930tで前年比113%の伸びとなりました。
長引く飼料や燃料など農業資材の価格高騰や個体販売価格の低下は続いており、酪農情勢は依然として厳しい状況ではありますが、政府は本年六月の出荷分から牛乳の単価増額方針を固めており、酪農家個々の生産意欲向上に期待しているところであります。
村にとっても現在の農家戸数、経営規模の維持は重要であり、将来の後継者や担い手不足の解消に向け、新規就農者及び農業就労者の確保を図るとともに、地域おこし協力隊酪農支援担当の配置や農業体験・研修支援事業、新規就農者支援事業補助など必要な支援を継続するほか、農業所得と持続可能な農業経営向上のため、国の第六期中山間地域直接支払交付金事業及び多面的機能支払交付金事業に引き続き取り組んで参ります。
また、農業基盤整備事業として道営事業により草地整備や上・中藻地区の営農用水整備を進めるとともに、ヒグマの春期管理捕獲や鳥獣担当員の配置により、エゾシカやヒグマによる鳥獣被害防止対策の支援強化、食肉などの有効活用、残滓処理などに対して支援をして参ります。
バイオガスプラントの余剰熱を利用した「みかんハウス栽培事業」につきましては、令和6年4月にキンカンとミカンの苗木を入荷し、5月の植栽後に定着・開花して、6月に結実、その後に苗木成長のための摘果作業など行い、これまで順調に生育しており、キンカンは2年後、ミカンは3年後の収穫に向けて期待しているところであります。
 林業においては、厳しい林業経営は変わらず、森林所有者の高齢化や後継者不足により、森林整備への意欲が減退し、森林の持つ機能の低下や荒廃化が危惧されていることから、森林環境譲与税を有効に活用し、森林整備や担い手の確保、木材利用の普及啓発を推進して参ります。
  村有林事業においても森林環境譲与税を活用して、ギターの原料となるシナの植樹を継続するほか、森林経営計画に基づく間伐や下刈り、皆伐、新植など、適切な保育管理に努めて参ります。
林道事業では、森林基幹道改良事業のうち、札滑ウエンシリ線の法面改良事業を行うほか、林道草刈・路面整正・小径木除去など、適切な維持管理に努めて参ります。

美しい自然環境が保たれているむら

地域づくり懇談会
地域づくり懇談会
 村づくりのテーマ実現のため、「美しい村づくり条例」に基づき、オレンジ色を基調とした建物の色彩統一を更に推進するため、美しい村づくり事業推進補助金を拡充するとともに、景観を阻害する空き家などの解体を支援し、更なる景観形成を進めて参ります。
 村民皆様をはじめ、企業・団体、関係機関とも連携・協働して、街中に花を植える「我が村は美しく事業」は、今年で30周年を迎えます。各家庭や事業所に花を飾るための支援も継続するとともに、新たに「花づくり応援員」制度を設け、花いっぱいの景観づくりを推進し、村に暮らす人や訪れる人が心癒される「美しい村づくり」に努めて参ります。
また、地域から要望のありましたカメムシ駆除への助成を新たに創設するなど、村民の皆様が快適に暮らせる生活環境づくりに努めて参ります。

住民と行政の協働が根付くむら

交通安全祈願祭
交通安全祈願祭
 本村は、令和7年1月1日に開村100周年の節目を迎えましたことから、10月19日に記念式典を開催するとともに、様々な記念事業などを通じて、この節目を村民皆様と共にお祝いしていくため、必要な予算を計上したところであります。
 自主的なまちづくり活動を支援する「美しく住みよい活力あるむらづくり応援事業」として、花いっぱい運動の推進をはじめ、町内会活動の推進、異業種が企画するイベントや小規模イベントの開催、団体活動に対する支援を行い、地域の活性化と自治意識の高揚を図って参ります。
 広域連携の推進につきましては、引き続き西紋別地域をはじめ、オホーツク圏の自治体と連携を図るとともに、名寄市・士別市を中心市とする北・北海道中央圏域定住自立圏の取り組みでは、二次救急医療体制や災害時に必要な情報の共有と相互応援体制の強化など、安心して暮らせる定住自立圏の形成を図って参ります。
 本村の「ふるさと応援寄附金」、いわゆる、ふるさと納税は、令和5年度から大手ポータルサイトでの受付を開始したことにより寄附額が増加しており、令和7年2月末時点の寄付件数及び寄附額は、315件で1,261万円となっております。
 ご寄付をいただいた全国の皆様にあらためて感謝を申し上げますとともに、皆様にお届けする返礼品についても、村内事業所との連携を図りながら工夫を凝らし、さらなる応援をいただけるよう努めて参ります。
 また、寄付金を財源として積み立てている「ふるさと応援基金」につきましは、子育て施策や地域産業の振興のための貴重な財源として有効に活用させていただき、ご寄付をいただいた方々の思いに応えて参ります。
 
以上、令和七年度の村政執行に臨む所信と、各会計予算案の概要について申し上げましたが、よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げ、重ねて村議会議員の皆様をはじめ、村民皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、結びといたします。

問い合せ先・担当窓口

企画総務課 情報統計係