西興部村猟区管理協会

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H27マタギサミット参加報告

平成27年6月27日~6月28日に山形県山形市で開催された「第26回ブナ林と狩人の会:マタギサミット」に参加してきました。

第26回「ブナ林と狩人の会:マタギサミット in 山形」開催の様子

開会の様子
 マタギサミットは、平成2年より毎年1回開催されている広域的山村交流会議で、狩猟文化(マタギ文化)を基礎に、中山間地域の生活文化の継承と発展を目指し、それぞれの集落が21世紀をどのように生き抜いていくのか、生活者自らが問題解決に向けて模索して行くための場となることを目的としています。(資料より)

 

今年は「東北地方を中心とした中山間地域の未来を考える ‐放射能汚染以降、東北の自然再生を目指して‐」をテーマに3名の講演がありました。

 

「鳥獣保護法改正と現場 -山形県置賜地域の現状から-」

二瓶秀憲(山形県置賜総合支庁環境課)

 

「原発事故からの復興を目指して -野生動物管理と狩猟-」

今野文治(新ふくしま農協)

 

「放射能汚染以降 マタギ文化の行方」

田口洋美(狩猟文化研究所・東北芸術工科大学東北文化研究センター)

 

「鳥獣保護法改正と現場-山形県置賜地域の現状から-」

講演の様子
 「鳥獣保護法改正と現場 -山形県置賜地域の現状から-」では山形県置賜総合支庁環境課の二瓶秀憲氏から鳥獣保護管理法と置賜地域における鳥獣の現状、今後についての報告がありました。まず今年施行された鳥獣保護法、鳥獣保護管理計画の改正概要の説明。「鳥獣保護法」を「鳥獣保護管理法」に改正した経緯、「第二種特定鳥獣管理計画」の内容についての説明がありました。次に置賜地域の鳥獣の現状。捕獲数、作物被害額の推移等の報告があり、山形県と全国の作物被害状況の違い、県内にイノシシが増えていること、指定管理鳥獣であるイノシシ・ニホンジカに対する今後の対策案が出されました。最後に原子力災害対策本部から指示されているツキノワグマの出荷制限についての問題点があげられました。

    • 捕獲数推移
    • わな

「原発事故からの復興を目指して -野生動物管理と狩猟-」

原発事故

「原発事故からの復興を目指して -野生動物管理と狩猟-」では新ふくしま農協の今野文治氏から放射線についての簡単な説明の後、野生動物の放射線モニタリング値の推移とチェルノブイリ原発事故による汚染との比較、季節による数値の上下等が報告されました。自然再生の為にどうしていくのか。安心安全のための検査体制の確立、狩猟者としてどう考えていくのか、放射能汚染は避けられない状況で野生動物とどう向き合っていくのかの提案がされました。

「放射能汚染以降 マタギ文化の行方」

提案
 「放射能汚染以降 マタギ文化の行方」では東北芸術工科大学東北文化研究センターの田口洋美氏から「ブナ林と狩人の会:マタギサミット」からの提案として、現状の山形県内全域での出荷停止状態は、狩猟の衰退とともに地域の人々にとって極めて危機的な状況の継続となるとして、汚染レベルの低い地域、汚染レベルにない地域に関する出荷制限の部分解除の提案、また福島県内の汚染された野生動物の広域的(宮城・山形・新潟・群馬・栃木・茨城)拡散の抑止的駆除狩猟維持のために、当該地域狩猟者の実施隊・有害鳥獣駆除従事者に関して狩猟登録税を免除し、福島県内での駆除狩猟に協力できる体制の整備が提案されました。続いて1次産業人口の大幅な減少、農業と狩猟の関係、地域創生の構造の問題点、野生動物と人との関わり方、伝統的狩猟者の知識データを継承していく必要性を示されていました。

    • 狩猟者の苦しみ
    • 狩猟者の現状
    • 課題


      次回第27回は長野県栄村で開催の予定です。