西興部村猟区管理協会

第26回(2016年3月)

集合写真
  2016年3月25日~3月27日、【西興部ハンティングスクール】第26回西興部村猟区新人ハンターセミナー<応用編>を開催し、酪農学園大学の伊吾田宏正氏、森林総合研究所北海道支所の松浦友紀子氏、浦幌ヒグマ調査会の浦田剛氏を講師として迎え、14名の参加がありました。参加者のうち4名がハンター(銃持参)での参加でした。

例年、基礎編と応用編に分け、年2回実施しているこのセミナーでは、出猟から解体、座学では流し猟・忍び猟の概要、エゾシカ管理の現状と課題、シカ肉の衛生管理などについて講義があり、座学や実習を通して総合的な狩猟技術を学べます。今回は、道内のほか南は熊本県まで全国各地からの参加がありました。

第26回新人ハンターセミナー報告

1日目

射撃実習
 1日目は午後14時に集合、オリエンテーションを行った後、村内の射撃場で射撃実習を行いました。銃持参で参加された4名が、2射座50mを交代で利用しました。明日の出猟実習の為、銃の状態を真剣に確認されていました。 

    • 射撃場
    • 的
室内講義
 約1時間の射撃実習を終え、ホテルに戻り室内講義を行いました。まず、浦田氏による「忍び猟の魅力」、続いて、伊吾田事務局長による「流し猟の概要」、最後に松浦氏による「シカ肉の衛生管理」について講義を受け、翌日の出猟や解体に備えました。

    • 忍び猟
      講義「忍び猟の魅力」
    • 流し猟
      講義「流し猟の概要」
    • 鹿肉
      講義「シカ肉の衛生管理」

2日目

目測・狙点・流し猟
 2日目は、シカ牧場で距離の目測と狙点の確認を行った後、3台のガイド車と同行車1台に分乗し、それぞれの猟場へ向かいました。出猟は、車を走らせシカの探索を行い、発見し次第射手が車から降り発砲する「流し猟」と呼ばれる方法で行っています。積雪期はエゾシカ狩猟のために開けられた林道を除き、林道が雪で閉ざされてしまうため限られた範囲の搜索となります。9時に出猟、出発後すぐに3頭のシカの群れを発見し、射手とガイドがシカに近づきますが逃げられてしまいました。5分ほどで次のチャンスが訪れ、100mの距離から発砲。捕獲に至りました。

    • 出発
    • 目測・狙点
    • ハンティング
    • 回収
解体
 解体場へ集合し、捕獲したシカの体重や体高・体長・後足長などの計測から内臓摘出、剥皮、大バラシ、抜骨を行いました。胃内容物や毛から汚染が広がるため、毛を切らないように注意することや食道と直腸を縛った状態で内臓摘出を行うなど衛生的な解体方法を学びました。

    • 解体
    • 剥皮
    • 大バラシ
忍び猟
 午後は山スキーを履いて忍び猟を行いました。忍び猟とは、痕跡などを頼りに忍んでシカに接近し、捕獲する猟法で、ストーキング(stalking)猟とも呼ばれています。車で広範囲を探索する流し猟に対し、徒歩でシカに気づかれないように探すのが特徴です。今回は2班に分かれ、銃を持参していない参加者の方もモデルガンを背負い、林内を探索しました。歩き始めてすぐに数頭のシカを発見しましたが、距離が遠く、開けた山の斜面であったため距離を詰めることが出来ませんでした。参加者の方々は、慣れない山スキーに苦戦しながらも忍び猟の魅力である自然との一体感を楽しんでいた様子でした。

    • 山スキー
    • シカ
    • ストック
      ストックを使った依託射撃
    • エゾリス
      エゾリスの足跡
料理実習
 忍び猟の後は「料理実習」を行い、午前解体したシカの抜骨から夜の懇親会で試食する、鹿焼肉・ローストの仕込みを行いました。夜は懇親会を行い、親睦を深めました。

    • 足
    • ロースト

3日目

室内講義・フリーディスカッション
  最終日は、伊吾田事務局長から「猟区制度によるエゾシカ地域管理の事例」について、伊吾田宏正氏による「エゾシカの保護管理の現状と課題」についての室内講義、歯によるシカの年齢査定の解説があり、最後にフリーディスカッションとアンケートの記入を行い終了しました。

    • 猟区
    • 保護管理
    • 年齢査定
    • フリーディスカッション

お問い合せ先

特定非営利活動法人 西興部村猟区管理協会

  • 住所:〒098-1501 北海道紋別郡西興部村字西興部485
  • 電話:0158-87-2180
  • ファックス:0158-87-2180